トーリーは、すっかりグリーン・ノウの屋敷になじみました。
毎朝、窓から入ってくるビワと遊び、木製のネズミと寝て、木馬のたてがみとしっぽにブラシをかけました。
絵の中の子どもたちは、時々、おばあさんと遊んでいるようでしたが、トーリーの前には姿を見せず、いつもかくれんぼをしているみたいでした。
しかし、家の内にも外にも、子どもたちのいる気配があふれていましたし、庭には小枝で形づくったT、A、Lの印が見つかりました。
そして不思議なことに、かつてフェストの馬小屋だったところに置いてきた角砂糖はいつの間にかなくなり、また置いておくと、やはり消えてしまうのでした。
やがて、クリスマス近く、雪があたりに舞い、日が落ちて暗くなってから、誰かが外でクリスマス・キャロルを歌いだしました。
とても美しい歌声で、歌が終わると女の子の笑い声がします。
おばあさんとトーリーは、戸をあけて外を見ますが、そこには誰もいなくて、ただ冷たい白い雪が戸口から舞いこむだけでした。
その時、おばあさんと子どもは、遠くでフェストがいななく声を聞くのです。
降る雪にかき消されて、かすかではありますが、それは馬のいななきでした。
トーリーはやっと、きっとトービーは今、フェストと一緒にいるのだと思って、満足し、泣きやんだのです。