トービーは、必死になって馬にしがみつき、流木や干し草の山が流れ去る間を泳ぎぬけます。
橋のやや上流で、やっと対岸にたどりつきましたが、トービーには、フェストに悪魔でもついたのかと思えました。
その時、髪の毛がさかだつようなものすごい音がして、目の前で木の橋がねじまがり、大砲のようなひびきを立てて崩れ落ち、川下に流されていきました。
フェストはかん高いいななきをあげると、全速力でトービーを乗せて走り去りました。
この後、トービーはもうフェストにさからわず、ただ落ちないように嵐の中を行くだけでした。
フェストは誰にも命じられずに医者の家の前でとまりましたが、中から出て来た医者は、しばらくは泥んこの馬と人が誰なのかわからないくらいでした。
医者は遠まわりしてオールド・ノウの屋敷に向かいましたが、医者の家に泊めてもらうことになったトービーは、すっかりフェストの手入れがすむまでは、寝ようとしませんでした。
最後には、馬小屋で頭をフェストの首にのせて、眠ってしまいます。
こうして、一人の子どもと一匹の馬の間に、すばらしい友情が育ったのです。