トービーは、必死になって馬にしがみつき、流木や干し草の山が流れ去る間を泳ぎぬけます。


橋のやや上流で、やっと対岸にたどりつきましたが、トービーには、フェストに悪魔でもついたのかと思えました。


その時、髪の毛がさかだつようなものすごい音がして、目の前で木の橋がねじまがり、大砲のようなひびきを立てて崩れ落ち、川下に流されていきました。


フェストはかん高いいななきをあげると、全速力でトービーを乗せて走り去りました。


この後、トービーはもうフェストにさからわず、ただ落ちないように嵐の中を行くだけでした。


フェストは誰にも命じられずに医者の家の前でとまりましたが、中から出て来た医者は、しばらくは泥んこの馬と人が誰なのかわからないくらいでした。


医者は遠まわりしてオールド・ノウの屋敷に向かいましたが、医者の家に泊めてもらうことになったトービーは、すっかりフェストの手入れがすむまでは、寝ようとしませんでした。


最後には、馬小屋で頭をフェストの首にのせて、眠ってしまいます。


こうして、一人の子どもと一匹の馬の間に、すばらしい友情が育ったのです。



その宵、トーリーはおぽあさんから、小さな英雄だった昔の子どもトービーと、名馬フェストの話を聞きます。


その時も激しい嵐で洪水でした。


あたりが水につかってしまった時に、小さなリネットが病気になって、誰かが医者をよびに行かなければなりませんでした。


庭師のボギスは足を折って動けず、結局、日が暮れる頃に、トーピーがブェストに乗って出かけることになりました。


トービーは道を覆った水を跳ね散らしながら勇んで出かけます。


やがて木橋のところにさしかかり、いつものように渡ろうとしましたが、フェストがどうしてもいうことを聞きません。


トービーが、どんなになだめても、叱ってもフェストは橋を渡ろうとしませんでした。


やむをえず、トービーがむちでたたくと、フェストはあと足でつったって、道のわきの生垣を越えると、川岸に沿って横に走り、やがて冷たい荒れ狂った川の中にとびこんで泳ぎだしました。



おばあさんの話では、木でできた動物たちは、先代の庭師だった同名のボギスが、子どもたちが方舟ごっこをするために作ったものだといいます。


そして絵の中の子どもたちは、動物の言葉がわかっています。


また、野ウサギもよくなれていて、家の中にも入ってきたということでした。


植木や石像は、人間の寿命をはるかに越えて、いつまでも生き続けます。


時には魚も、長命で、も し、こうしたものが人間と同じ心を持っていたら、何代にもわたって、子どもたちが成長し、この家から巣立って社会に出ていく姿を見守っていることでしょう。エグゼクティブトレードによると、そして、どの時代の子どもたちも、 木々の間で遊び、魚や鳥に餌をやり、大自然の中を元気でかけまわっていたことでしょう。

そして、 たくさんの昔話を聞き、自分のファンタジーをふくらませて、木々や鳥や魚や、そして石とも語り合ったことでしょう。


それが子どもの世界なのです。


翌朝、目が覚めてみると、水はすっかり引いて、窓の前の芝生に残った水たまりに、大きな銀色 のものが飛びはねていました。


それはトービーがよく餌をやっていたというコイで、ボギスによれば、 きっと何百歳にもなっているに違いないということでした。


トービーはよく習っていたラテン語で コイに語りかけ、弟のアレクサンダーは、フルートを吹いて、鳥たちと話していたといいます。


水が引いた庭の探険に出かけてみると、大きな背の高い石像があったり、木を刈りこんで形をつけた緑の鹿がいました。


鹿には目がありませんでしたが、耳をピンとそば立て、まるで生きているもののようでした。


大きなブナの木の下には、イチイの木を刈りこんで作ったリスがいたし、クジャクや野ウサ ギや、おんどりやめんどりまで、木から作られていて、そのまわりを、ほんものの生きたウサギが走り抜けました。


そのうちに、どうも自分の傍に誰かがいるような気がして、これはきっと、かくれんぼの遊びかもしれないと思いあたります。


そこで大声で、「みどりの鹿が、かくれ場所だ!」と叫んで、鹿のところまで走って行きます。


そのときに間違いなく、誰かがすぐ傍で息を殺して笑っている声がきこえたように思いました。


しかし姿はなくて、頭になにかがさわったので手をやってみると、彼の頭文字のTの形にこしらえた枯枝が乗っていました。



おばあさんにとっても、この子どもの出現は、昔、絵の中の子どもたちと遊んだ思い出をよみがえらせるものでした。


彼女はうっかりまちがえて、トーリーとよびだしたこの子を、絵の中の同名の子どもの愛称であるトービーと間違えてよんだりします。


トーリーはボギスじいさんに連れられて、今では庭師の仕事場になっている納屋に行くのですが、かつてはそこの一部は馬小屋でもありました。


トーリーと同名の祖父は乗馬の名手であったということで、さらに、今でも夜に馬のいななきが聞こえるという昔の子どものトービーの愛馬の部屋もありました。


トーリーは、そのまぼろしの馬のために、木馬のためにとっておいた残りの角砂糖を一個、大切に置いてやりました。


その夜、トーリーがベッドに入ると、満月が水にうつって、いつもの倍も明るくなり、月光が部屋にさしこんで、木馬やネズミを照らしていました。


どこかで本をめくる音や、ひそひそ声が聞こえるような気がします。


トーリーは、子どもたちが月の光で絵本を見ているのかと想像します。


そして、大きな声で、子どもたちに明るみの中に出ておいでと誘いかけますが、どこか後の方でわらい声がして、バタバタという足音が聞こえただけでした。


トーリーは、姿の見えない子どもたちと一緒に笑い、やがて眠りに入っていきました。



ルーシー・M・ボストンの『グリーン・ノウの子どもたち』について。


主人公の少年、トーリーの部屋の中にとびこんできた1羽のビワ。


この鳥は、幻想の産物か、現実の鳥かは明確ではありません。


しかし、おばあさんがこのあたりの鳥たちに餌をやって慣らしていますから、実際に鳥が部屋に入ってきても、そんなに不思議はないでしょう。


玄関の天使の像の頭の上の巣は、去年のひわのものだったといいます。



しかし、子どもが鳥がいればいいのにと心に思った時に、実際に鳥が飛んできたとしたら、子どもの心には大きな印象を与えることでしょう。


それは偶然のできごとかもしれませんが、こんなことは時時起こる現象のようにも思います。


ユング心理学ではこの現象をシンクロニシティ(同時共調性)とよんで、この想像と現実の不思議な一致が、人の心に与える一種の力を重要視しています。


トーリーの前には、こうして昔のできごとが、次々によみがえり、それが昔からの伝承とからんで、彼の心に大きな感激をもたらし、おとなになっていく道をつけてくれます。


子どもがおとなになるために、昔話や幻想やごっこ遊びが、いかに大切かをこの物語は伝えているように思われるのです。



旅行前にガイドブックを買ってきて、どこへ行こうか、何を食べようかあれこれ考えるのも海外旅行の楽しみのひとつです。

でも、1週間ぐらいの旅行だと訪れる場所にも限りがあり、広い範囲を紹介するガイドブックには必要のないページも多いはず。

1200円のガイドブックだと、400円ほど損した気分になるものです。

それに対して、政府観光局を活用すれば情報はタダか格安。

にもかかわらず、治安や交通期間、それにイベントなどの情報をタイムリーかつ詳細に提供してくれます。

FAXで情報を提供しているところもあり、自宅に居ながらにして情報を得られるのもうれしいサービス。


静岡、新潟など新幹線でディズニーランド(TDL)へ行く場合、5100円の入場予約券がセットされた「東京ディズニーランド往復割引乗車券」の利用がだんぜんお得。

例えば大阪からの場合、東京までの新幹線の往復運賃だけで2万6960円。

それにディズニーランドの入場券5100円を足せば3万2060円。

ところが往復割引乗車券だと、さらに東京~舞浜間も含まれて2万9180円で行けるのです。

格安チケットと比べても、こちらのほうがやっぱりお得。

もちろん、新幹線を利用しない横須賀や長野からのものも用意されているので、お問い合わせは駅の旅行センターで。

種類によっては利用できない時期があるので要注意。

パックツアーのように、旅行会社に決められたコースを訪れるのではつまらない。

旅行の楽しみはコースを組み立てるところから---という人は、北海道から九州まで取りそろえられた各種周遊券を利用しましょう。


まず、時刻表の索引地図に薄緑色で表示されている"周遊指定地"を訪れる場合に利用したいのが「一般周遊券」。

JR線の列車やハイウェイバス、連絡船など営業キロで合計200キロを超える場合に、連絡線が2割引、JR線以外の線がほぼ1割引になるのです。


そのほか、出発地に戻ってくること、周遊指定地を2か所以上まわることも満たさなければならない条件。

ただし、阿寒、十和田湖、秋芳洞などの特定指定地域なら、1か所のチェックでOKです。


周遊券のなかでも人気の高いのが「ワイド周遊券」。

区間内のJR線、JRバスを何度でも乗り降りできるうえ、新幹線以外の特急の普通車自由席まで利用できます。


それでいて料金は格安。

東京から北海道へ旅行したいなら、道南ワイド周遊券を利用すれば2万9440円で東京---北海道の往復はもちろん、函館、登別、小樽、ニセコと観光地をすべてまわれてしまいます。


有効日数はだいたい10~14日。出発地によって異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。

ワイド周遊券の周遊区域をひとまわり小さくしたのが「ミニ周遊券」。

名前はミニでも安さはワイド。

京阪神ミニ周遊券を利用すれば、東京を出発地とした京都、大阪、神戸の3都めぐりも1万6580円で行けるのです。

有効日数も7~10日あるので、ゆっくりと旅行を楽しめるはず。

私鉄や地下鉄に比べてJRの料金が高いのは周知の事実。

でも、JRも様々な割引きっぷでサービスに努めています。

それを利用せずに、ムダに高い料金で乗車しているのは愚かな行為。


中でもフリーきっぷは、1枚のきっぷで何度でも乗り降り自由のお値打ち品。

「都区内フリーきっぷ」は、その日のうちならJR線各駅のフリー区間内(東京を起点として蒲田、西荻窪、尾久、金町、小岩、葛西臨海公園の半円内)で何回でも乗り降り自由というもの。

急行の普通車自由席の利用も可能です。

料金は都区内起点だと720円、横浜起点だと1120円というように、起点場所によって違います。

フリー区間外の途中下車はできないので要注意。

また、「東京フリーきっぷ」は都区内フリーきっぷの特典に、営団地下鉄、都営地下鉄、都電、都バスの交通機関が加わったワイドなきっぷ。

たった1560円で何回でも乗り降り自由の行きたい放題。


近郊の駅での発売はないので、都区内のJR線各駅や都営地下鉄各駅などで購入しましょう。

東京に近い地区から東京へ出かける場合は「東京自由きっぷ」で往復割引が受けられます。


有効期間は買った日から2日間。

赤羽、池袋、代々木、品川、東京、錦糸町、上野、尾久の半円内にある地域なら、やはり何回でも乗り降りが自由です。

たとえ"区間内乗り降り自由"の特典が必要ない場合でも、普通に買うよりやっぱりお得。

たとえば東京~熱海の通常運賃は往復で3700円なのに対して、東京自由きっぷだと140円お得の3560円。

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